感染症は普遍的に見られる疾患であり、現在、世界での年間死亡者数5,600万人のうち、約1,000万人が感染症で亡くなられています。
理事長である矢野は、感染症学、微生物学の研究に従事してきました。そのため、この分野に高い関心を持っていることが杜の都医学振興財団設立のベースになっていますが、感染症学、微生物学に従事する専門家や研究者が極めて少ないと言う現実に直面していることも事実です。日本感染症学会が認定する感染症専門医ですが、現在、学会が提言する適正人数には程遠い状況にありますし、日本の微生物学系の学会会員数も減少に歯止めがかかっていないようです。
一方で、昨今の新型コロナウイルス感染症の拡がりは記憶に新しいところで、感染症診療、対策などのニーズが高まっています。さらに今後、新たなウイルスによるパンデミックや、抗菌薬の効かない薬剤耐性菌の増加が危惧されているところです。したがって、そのニーズは今後ますます高くなっていくことが予想されています。
そこでこの度、杜の都医学振興財団を新たに立ち上げました。若手研究者による感染症学、微生物学研究を支援し、将来の適切な感染症治療、 感染症対策、さらには当該領域研究者の増加につながるよう貢献していくことを趣旨としています。