未来の医療のために

理事長挨拶GREETING

 

 杜の都医学振興財団は、「感染症学および微生物学研究の発展に寄与する」ことを目的に、2021年に財団法人として設立されました。
 昨今、感染症に対する危機管理は、世界中のすべての医療関連施設そして社会全体における最重要課題となっています。例えば、多くの抗菌薬が効かない薬剤耐性菌が病院だけでなく地域社会においても拡がる様相を示し、薬剤耐性菌問題は今や社会全体の危機として捉えられています。また、新型コロナウイルス感染症の拡がりが人類の脅威となっていましたが、ワクチン開発と普及、感染防御策確立など、様々な課題が残されています。
 しかしながら、高度先進医療、医学教育を担う大学病院や拠点病院においてさえ、感染症診療、感染症危機管理の専門家や微生物学研究者が少なく、十分な対応ができていない現状となっています。一方で、感染症学および微生物学は、診断、検査、治療、予防など広い領域の学問であり、病原体も、ウイルス、細菌、真菌など多岐にわたるため、幅広い知識を必要とする実践的な分野です。また、分子生物学、遺伝学、免疫学、疫学など多岐にわたる領域の学問が関連し、その進歩も非常に早く、常に最新情報を踏まえた研究が必要になります。 
 上記状況から杜の都医学振興財団では、感染症学および微生物学研究の進歩・発展に寄与するための支援を行っていきたいと考えています。

理事長:矢野 寿一

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